住宅ローン仮審査における収入合算のメリット・デメリット

住宅ローン

50代半ば・低年収・フリーランスという一般的には不利な属性条件と概算の新築費用(5,500万円)を考慮すると、私一人では住宅ローン仮審査の通過はダメかもしれないと感じていました。

そこで営業さんと相談して夫婦での合計年収をベースに審査する収入合算を提案されたのです。

そもそも収入合算とは

住宅ローンで借りたい金額(借入希望額)を二人三脚体制で返済する旨を伝えて、銀行側の融資限度額を引き上げる手段になります。

ひとりよりふたりなら多少の大きな借入希望額も認めてくれるだろうという期待も込みです。

似たような言葉でペアローンがありますが、それについては後ほど。

ちなみに収入合算には契約形態が2種類あり、どちらになるかは金融機関によって異なります。

連帯保証人型 連帯債務者型
返済義務 主債務者が返済不能のとき 最初から主債務者と同等の責任
住宅ローン控除 合算者は対象外 合算者も負担割合に応じて対象になる場合がある
団信への加入 主債務者のみ加入が一般的 金融機関により合算者も加入できる
採用金融機関 メガバンク・地銀に多い フラット35・一部ネット銀行など

仮審査を申し込む前に、対象の金融機関がどちらの契約形態を採用しているかを必ず確認してくださいね。

収入合算にした理由と後押しになった秘策

シンプルに単独での申し込みはハードルが高いと感じたからです。

そんな大層な理由なんてないですよ。

1. 単独年収では借入希望額に達しない可能性が高い

イチがバチかよりは少しでも確率を上げて仮審査を申し込みたいじゃないですか、いろいろと書類も準備するわけですから。

銀行側は申込者の借入希望額に対して、さまざまな観点から融資限度額を定めますが、この計算や設定基準は完全にブラックボックスなので、ノウハウ的なものは存在しないといわれています。

今回、奇跡的に満額回答をもらいましたが、手続きなど仲介・代行してくれた営業さんからの「多分、大丈夫ですよ」の言葉しかすがるものがないのが現実です。

2. 将来の家計状況の試算結果が後押しに

収入合算での仮審査申し込みを決める前、高額な新築費用に怯んでいた私に営業さんが「FPさんのライフプランシミュレーションで将来の家計の動きを見て進むか引くか決めてもいいのでは」との提案がありました。

毎月の想定ローン返済額・年収の推移・生活費などを現時点から90歳ぐらいまで家計の収支を数値で「見える化」した結果、80歳時点でも預貯金が残る試算結果が出たんです。

この結果は予想外でびっくりしましたね。

だからといって、この試算結果を銀行に提出するわけではないので、融資限度額の引き上げには直接的な有効性はありません。

しかし仮に満額フルローンでも生活水準を下げずに返済し続ける可能性があるという点では、仮審査に対して前向きになれた要因といえます。

収入合算のメリット

世間一般では「借入額を増やす手段」として紹介される収入合算ですが、実際に仮審査に向けて動く中で、私自身しっかりメリットが感じられました。

  • 借入希望額に手が届く可能性が高まる
    実際に満額回答をもらいましたから、合算だと単独では難しい借入希望額でも審査が通る確率は上がるといえそうです。
  • 返済の余力を示せる
    銀行は年収における年間返済額の割合も見てます。一人より二人分の年収がベースだと、その割合は下がりますから、余力をもって返せる世帯と判断してもらえるかも。
  • 夫婦で責任を分担
    どちらか一方に全責任を負わせなくて済むので、まさに二人三脚を体現する感じですね。

収入合算のデメリット・注意点

申し込み前に必ず把握しておきたい項目です。

  • 合算者にも返済義務
    連帯保証人・連帯債務者として契約するため、主債務者が返済不能になった場合、合算者に返済義務が移る
  • 住宅ローン控除は主債務者のみ
    合算者は原則として住宅ローン控除を受けられない(金融機関・契約形態によって異なる)
  • どちらかの収入が減ると脆い
    フリーランスなら余計に考慮しておく必要がある
  • 借りすぎリスク
    合算で枠が広がっても返済負担率は世帯収入の25〜30%以内に
  • フリーランスは審査ハードルが上がる
    会社員と比べて収入の安定性が低いと見なされやすく、金融機関によっては合算でも厳しいケースがある

返済が困難になったときの出口戦略

返済不能は避けるべき事態ですが、だからといって何も考えないのはリスク管理とはいえません。

私がとるべき手段は以下の3つです。

  1. 収入レベルに合わせた返済猶予交渉
  2. 自宅を担保にしたリバースモーゲージ
  3. 物件売却による一括返済

これは手を打つ順番でもあります。

まずは銀行との話し合いですが、その時の年齢によっては話し合いの猶予もないかもしれません。

次の手段はリバースモーゲージですが、詳細な説明は省きますけど要は新たな融資で住宅ローンを一括返済し、以降の毎月の支払いを新たな融資にかかる利息のみに切り替えるものです。

新たな融資の元本返済は、契約者が亡くなったあとに担保となっている土地と建物で清算されるしくみです。

これだと家に留まれるんですけど、土地と建物の評価額の範囲内での借り入れが条件となるため、状況次第では利用できない可能性があります。

やはり最後の手段は売却になるでしょう。

まとめ

収入合算はあくまでも融資額の上限を底上げする手段なので、返済不安を解消するものではありません。

「返済に不安があるなら収入合算とかせずに借入希望額を下げればよかったのでは?」

それ、ごもっともな意見ですが、最悪なのは仮審査に通らない結末なので、それを避けるために収入合算を採用したまでなんですよね。

だから収入合算は仮審査において良い方向に働きましたが、その一方で返済負担は大きくなるというトレードオフを受け入れました。

これが吉と出るか凶と出るか、はたして、どうなることやら。

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